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キヤノンMJがグループ全体1万人に「デザイン思考テスト」導入

キヤノンMJがグループ全体1万人に「デザイン思考テスト」導入

イントレプレナーの育成にも力を注いでいる(社内起業プログラム第4期の発表会)

課題発見・解決力を可視化

キヤノンマーケティングジャパン(MJ)はイノベーション(革新)人材の発掘や育成を定量的に実施するための「デザイン思考テスト」をグループ全体に導入した。対象者は1万人規模。新たなソリューションやビジネスに重要な課題発見力と解決力の可視化や強化を推進する。2025年までに2500人のイノベーション人材を育て、それとは別に10人のイントレプレナー(社内起業家)も育成する目標の達成につなげる。

キヤノンMJは22年に一部社員に限定してデザイン思考テストを導入していたが、このほどグループ全体に対象を広げた。同テストは採用活動などで用いる企業が多く、1万人規模での全社導入は珍しいという。

テスト内容は、自ら本質的な課題を発見して解決策を考える“デザイン思考力”を可視化するもの。事前にデザイン思考を身に付けるための基礎講座をeラーニングで受講し、30分のテストを2回受験する。社員のスキルを可視化・強化し、適切な人材育成につなげる。テスト受験後も研修やワークショップ(参加型講習会)などを通じて社内でフォローアップし、デザイン思考力の醸成を継続する。

キヤノンMJは新たな価値の創出にはデータ利活用などのデジタルスキルだけでなく、課題発見力や課題解決力が欠かせないとし、イノベーション人材の育成に注力している。デザイン思考テスト以外にも、社内起業プログラムや希望者が参加するイノベーションアカデミーなどを展開する。一連の施策で社内外のデジタル変革(DX)推進や新事業創出につなげたい考え。


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日刊工業新聞 2023年09月08日

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