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買い入れた土地がことごとく〝塩漬け〟…リゾートハウス建築会社「黒字倒産」のカラクリ

買い入れた土地がことごとく〝塩漬け〟…リゾートハウス建築会社「黒字倒産」のカラクリ

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2022年12月、大阪のアルバ・ホームというリゾートハウス建築会社が倒産した。世間に広く知られた会社ではないが、帳簿(決算)上では利益が出ているのに資金繰りに行き詰まる「黒字倒産」であった点は見過ごせない。

同社は本業のリゾートハウス建築のほかにも、建て売り分譲住宅や賃貸アパートの開発・販売、他社の住宅建築工事請負といった事業にも領域を広げ、売上高を6億円強まで伸ばした。

一方で、不動産の買い入れ資金を借入金で賄っていたことから、売上高のほぼ倍となる12億5000万円もの借入金を抱えていた。それでも、買い入れる不動産を担保に提供すれば、取引のない金融機関も融資に応じてくれたため、リゾートハウス建築に好適な郊外の高台の土地を次々と買い入れることができた。

しかし、見込みの甘さから高台の土地はことごとく“塩漬け”になってしまう。さらに、起死回生の手とばかりに賃貸不動産を買い進めたこともあり、借入金残高はどんどん膨れ上がっていった。

決算上の利益は毎期黒字だったが、長期にわたって滞留する在庫を問題視し、その売却を迫る金融機関と意見が対立。追加融資を受けることができなくなり、資金繰りに行き詰まった。

先の予測が立てづらいポストコロナの時代だからこそ、こうした黒字倒産が増加する恐れがある。アルバ・ホームが陥った①計画ほど売り上げが伸びず在庫を抱えてしまう②過剰債務に陥って追加の借り入れができないというパターン以外にも、③得意先の経営不振や倒産で売上金が回収できない④業績改善を狙った設備投資の効果が出ない、といったパターンもある。

厄介なのは、会計の仕組みを理解しないと、黒字倒産が起こるカラクリが分かりにくい点だろう。ただ、少なくとも「利益が出ているから大丈夫」と、安易に考えてはならないということは覚えておきたい。(帝国データバンク情報統括部)

日刊工業新聞 2023年09月07日

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