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リーマン・ショック前後以来の連続増加期間…7月倒産、700件超え

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日発表した7月の倒産件数は、TDBが前年同月比40・5%増の701件、TSRが同53・4%増の758件だった。TDBは15カ月連続、TSRは16カ月連続で、前年同月を上回った。TDBで連続増加期間が15カ月となるのは、リーマン・ショック前後(2008年6月―09年8月)以来。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済がピークを迎えたところに、物価高、人手不足が追い打ちをかけた。

TDBは2カ月連続、TSRは3カ月連続で、倒産件数が700件を超えた。

負債総額はTDBが同99・7%増の1804億7000万円、TSRが同91・7%増の1621億3700万円と大きく増えた。

TDBの業種別は、全7業種で前年同月を上回った。「サービス業」が173件で最も多く、17カ月連続で前年同月を上回った。増加期間は00年以降で最長。

TSRの産業別は、10産業のうち「金融・保険業」「運輸業」を除く8産業で前年同月を上回った。TSRも「サービス業他」が262件で最多だった。前年同月を上回るのは11カ月連続。「製造業」は81件で、12カ月連続で前年同月を上回った。

TSRは「業績回復が進まず、過剰債務で金融機関の支援が難しい企業を中心に、さらに増勢をたどる可能性が高い」とみる。TDBは「運転資金需要に資金調達が追いつかない息切れ倒産の急増が懸念される」と指摘する。

日刊工業新聞 2023年08月09日

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