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自動車以外で販売9倍に、NOKが水素市場の急成長に備える

自動車以外で販売9倍に、NOKが水素市場の急成長に備える

燃料電池や水電解装置用のガスケット「セルシール」

NOKは水素事業について、2025年に自動車業界向けを除く新規販売を現状比約9倍の数十億円規模に成長させる。水素エネルギー分野への提案に注力し、水素の「作る・ためる・運ぶ・使う」の各段階で、シール製品などの開発、拡販、マーケティングを強化する。水素環境下でのさまざまな条件に対応可能な材料技術を訴求する。25年までの3年間で足場を固め、30年以降に予想される水素市場の急成長に備える。

これまで燃料電池車(FCV)や家庭用燃料電池など水素を「使う」分野を中心に拡販してきた。今後は水素を製造する水電解装置や、水素を貯蔵する水素ステーションなど向けの提案も拡大する。

シール製品は水素環境下・高圧でのシール性や耐久性を実現する材料を開発。また低温環境対策や、溶出物の量を抑える低溶出性など要求特性に応じてカスタマイズ(個別対応)する。

燃料電池や水電解装置用のガスケット「セルシール」では、顧客の要求に合わせ金属・カーボン製のセパレーターやフィルムといった各種基材にゴム製のガスケットを一体化することも可能。部品点数削減、組み立て工数削減に貢献する。

水電解装置向けにはすでに、ガスケットやOリング、水素や酸素の触媒への供給などを担う「ガス拡散層(GDL)」などで採用実績がある。また、生成された水素に含まれる水分を吸着して除去する「除湿膜」も市場調査を進め、製品化を検討中。水素ステーションにはOリングやフッ素グリース、ノズル用の防振製品などが使われている。

富士経済(東京都中央区)の調査によると、水素製造設備や水素ステーション、FCVなどを含めた国内水素関連市場は30年に22年比1・8倍の1兆697億円、35年に同5・7倍の3兆3927億円に伸びる見通し。

NOKは22年に「水素拡販チーム」を発足。市場動向を注視し、“種まき”を進める。


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日刊工業新聞 2023年08月30日

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