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住友は当期赤字・三井は下方修正…総合化学は業績低迷、想定以上の需要回復遅れ

総合化学5社の2023年4―6月期連結決算は4社が当期減益、住友化学は当期赤字に転落した。想定以上の需要回復の遅れなどが、石油化学関連事業などの業績に響いた。その影響もあり、三井化学は24年3月期の連結業績予想を下方修正した。一方で、各社は今後の需要回復を見据えつつ構造改革などに取り組み、巻き返しを図る。

三井化学は24年3月期の見通しで、売上高に相当する売上収益と各利益段階で下方修正した。眼鏡レンズ素材などのビジョンケアの販売が在庫調整の影響で減少したほか、石化関連では需要減に加え原料価格の下落に伴う在庫評価での減益要因もあった。中島一代表取締役専務執行役員は「年間では回復していけるが、スタートダッシュの遅れを取り戻せていない」と説明する。

実際、23年4―6月期は各社とも石化関連や半導体関連などが振るわなかった。三菱ケミカルグループは石化・炭素事業での需要減、原料価格の下落による在庫評価損に加え、エチレンプラントの停電トラブルによる減産も響いた。住友化学はサウジアラビアの石化合弁企業のペトロ・ラービグの業績低迷、旭化成も石化関連を含むマテリアル領域が伸び悩んだ。東ソーは石化事業が伸びたものの、クロル・アルカリ事業で原燃料価格の下落による在庫受払差の悪化などが響いた。

半導体関連では、三菱ケミカルグループが精密洗浄サービスや高機能薬液など、三井化学も産業用フィルムなどの販売が減った。

一方で、24年3月期は、三井化学を除く4社は見通しを据え置いた。各社は4―6月期は想定以上の需要減などがあったが、下期以降を精査中ではあるとはいえ、半導体関連などの需要は徐々に改善していくとみる。

特に住友化学は合理化対象の範囲を広げるなど構造改革をさらに進める方針だ。三菱ケミカルグループもコスト構造改革、旭化成は石化関連を中心とした改善を検討する。需要回復とともに構造改革を進めつつ、巻き返しにつなげる。


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日刊工業新聞 2023年08月07日

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