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グリーン水素製造技術確立へ、東ソー・日本カーリット・理研が挑む

グリーン水素製造技術確立へ、東ソー・日本カーリット・理研が挑む

水電解に関する共同研究開発が採択(日本カーリットがこれまでに開発した小型水素発生セル)

東ソー、日本カーリット、理化学研究所は、水電解に関する共同研究開発が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択された。触媒となるイリジウム含有マンガン酸化物の工業化可能な製造方法、水電解の最適な運転方法、電解装置の大型化に向けた技術開発に取り組む。再生可能エネルギーを活用したグリーン水素の製造技術の確立を目指す。

事業の委託期間は8月―2025年3月までを予定。東ソーはイリジウム含有マンガン酸化物の製造方法、日本カーリットは電解装置(セル)の設計・試作・評価を担う。理研は触媒の評価・解析を担当する。

東ソーは電解二酸化マンガンの生産ノウハウなどを生かす。従来のイリジウム触媒に比べ、イリジウムの使用量を抑え、安価で高活性な触媒の製造技術の確立を目指す。日本カーリットはこれまで培ってきた電気分解技術などの知見を生かす。

3者は「水電解用酸化マンガン系酸素生成(OER)触媒の運転方法・製造方法の確立と大型化へ向けた研究開発」が採択された。水電解は水を電気分解して水素と酸素を得る方法。今後、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーを用いた電気分解で製造するグリーン水素の需要が高まるとみる。

日刊工業新聞 2023年07月13日

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