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三菱造船・日本郵船がAiP取得、「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」の効果

三菱造船・日本郵船がAiP取得、「アンモニア・液化CO2兼用輸送船」の効果

アンモニア・液化CO2兼用輸送船(イメージ)

三菱造船(横浜市西区、北村徹社長)と日本郵船は、アンモニアと液化した二酸化炭素(CO2)の輸送を兼用できる船(イメージ)の基本設計承認(AiP)を日本海事協会から取得した。往路で発電燃料用アンモニアを運び、復路で回収・液化したCO2を貯留地に運ぶ用途を見込む。今後、市場投入に向けて技術開発を進める。

アンモニアは燃焼してもCO2を排出しないため、石炭火力発電に混焼して低炭素化する用途が期待される。往路でアンモニアを運んで混焼し、石炭火力発電所から排出したCO2を回収。復路では液化CO2を貯留地に運ぶ利用形態を想定する。それぞれの専用輸送船では往路・復路どちらかは空荷になるため、兼用船により効率よく輸送できる。

三菱造船のガスハンドリング技術、日本郵船の船舶運航の知見を活用することが評価された。両社はそれぞれアンモニアと液化CO2の各専用輸送船の技術開発にも取り組んでいる。三菱造船はアンモニアと液化CO2の兼用輸送船のコンセプトスタディーを完了している。

日刊工業新聞 2023年07月03日

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