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核融合炉向け「HTS線材」増産、古河電工が設備導入

古河電気工業は英トカマクエナジーの核融合炉向け高温超電導(HTS)線材供給に関して2023年内に増産設備を導入する。子会社の米スーパーパワー(ニューヨーク州)でHTS線材を製造しており、現状の生産能力で足りているが、安定性確保に向けて設備の一部を追加する。

古河電工の森平英也社長は「商用核融合炉への道が開けてくれば大きな投資が必要になる」とする。現在は実証段階だが「HTS線材を供給して、非常に品質の高い高温プラズマをつくることが重要だ」(森平社長)。

古河電工はトカマクエナジーと核融合炉で用いるHTS線材の供給契約を結んでおり、核融合炉の建設に必要な数百キロメートルに及ぶ量のHTS線材を数年にわたり供給する。トカマクエナジーが推進する先進核融合原型炉「ST80―HTS」は世界で初めて実機規模を持つ高磁場球状のトカマク型核融合炉となる。

日刊工業新聞 2023年05月29日

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