トヨタ車体は１９日、商用車の荷台の改造を手がける専門店「カーゴベース」を出店すると発表した。トヨタ自動車の直営販売会社「トヨタモビリティ東京」（ＴＭＴ、東京都港区）の深川店（同江東区）内に設置し、２４日に開業する。配送や小売り、医療関係など、用途や使い勝手に応じた細かい改造や備品の装備などに対応する。ニーズを直接吸い上げ、車両開発につなげる。

トヨタの商用バン「ハイエース」や「プロボックス」、小型トラック「ダイナ」などが対象。顧客との商談を通じ、トヨタ車体が持つ車両開発や製造ノウハウを生かして独自の架装を行う。仕様を確認できる拡張現実（ＡＲ）技術も用意。作業棚や医療用担架、キッチンといった設備の架装後のイメージを実車と組み合わせて見られる。同技術を活用し、将来は遠隔商談も検討したいという。

ＴＭＴ深川店は１万２０００台の顧客保有車のうち約３割を商用車が占める。顧客が多いことから架装専門店の出店を決めた。店舗の人員は、技術員やトヨタ車体の架装子会社の設計者らに、ＴＭＴの営業担当者１人を加えた計７人。

トヨタ車体は２０１８年にトヨタからバン事業を移管された。松尾勝博社長は「車両生産が主で顧客ニーズの吸い上げが苦手だった」とし「顧客の声を聞き込み、より良い車づくりにつなげる」と意気込んだ。

ＴＭＴの佐藤康彦社長は「深川店は乗用車から商用車、スポーツ車ブランドも扱う。架装専門店で店舗の個性を打ち出すと同時に、顧客にワンストップで対応する」と意義を説明した。