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自動車部材中止で塗料に重点、日本特殊塗料が平塚工場を再編する背景

自動車部材中止で塗料に重点、日本特殊塗料が平塚工場を再編する背景

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日本特殊塗料は自動車向け部材の生産体制を再編する。平塚工場(神奈川県平塚市)で手がけているシート状の自動車用制振材の生産を2024年度からすべて外注に切り替え、跡地に塗料事業関連施設を新設する方針だ。25年度以降に稼働させる構想だ。需要の先細りが予想される制振材から高機能化・高付加価値化に伴って市場拡大が見込める塗料事業に重心を移し、需要構造の変化に対応する。

シート状制振材の需要は部材に塗布する新しいタイプの材料への切り替わりなどが進み、頭打ちの状態にある。同社は平塚工場におけるシート状制振材の生産を24年3月で終える。これまでシート状制振材については一部を内製化してきたが、24年度からはすべて外部に発注する。

塗料部門では、主力の九州工場(佐賀県みやき町)に続く新しい事業拠点を整える。平塚で塗料事業を始める時期や新しい施設が担う機能、投資額などの具体策を23年度中にまとめる。

平塚工場は敷地面積が2万8700平方メートル。需要拡大が見込める分野に経営資源を重点配分し、成長力を高める。

日刊工業新聞 2023年06月14日

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