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NTTと東工大が世界初、300ギガヘルツ帯で高速データ伝送に成功した意義

NTTと東工大が世界初、300ギガヘルツ帯で高速データ伝送に成功した意義

フェーズドアレイ無線機によるビームフォーミングのイメージ図(NTTの発表資料より)

NTT東京工業大学は13日、受信端末が存在する方向に向けて電波のエネルギーを集中させて放射する「ビームフォーミング」技術を用いた300ギガヘルツ(ギガは10億)帯高速無線データ伝送に世界で初めて成功したと発表した。同技術の活用で、移動する受信端末に向かって、超大容量データを瞬時に転送できるようになる。

NTTと東工大工学院電気電子系の岡田健一教授らは、それぞれが開発したICを同一プリント基板上に小型実装し、送信モジュールを実現。同モジュールの活用で、今回の成果を得た。今後は、通信距離の拡張などに取り組むほか、利用用途に応じた受信モジュールの開発も行う。従来比10倍以上の伝送容量を有する無線通信の実用化を目指す。

2030年代の第6世代通信(6G)で300ギガヘルツ帯の電波を活用した高速無線通信が期待されている。300ギガヘルツ帯の電波は広い帯域を利用できる利点がある一方、空間を伝搬する際の電波損失が大きい課題があった。

日刊工業新聞 2023年06月14日

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