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お米に色と栄養をコーティング!理想的な健康食品に

地方創生を支える!注目のベンチャー企業 #6 マインドバンク
お米に色と栄養をコーティング!理想的な健康食品に

コーティング米の調理例


『米は白いもの』


 研究開発を始めたのは7~8年前。お米にパウダーを結着させる際に、あまり強く結着させると水がお米に入らずふっくら炊きあがらない。コーティングの調整に苦慮したという。その後、研究開発を重ねた結果「フード・アクション・ニッポン アワード2010」に研究開発・新技術部門で入賞するまでになり、製法特許も取得したので、4年ほど前から本格的な販売を開始した。
 しかし当初は「大手の米屋さんに話をすると“異端児”のように扱われましたね。『お米は白いもんだ』と見向きもされなかったです」。受け入れられるまでには苦労しているが、逆にあまりお米に関係ない企業などの方が興味を持ち代理店になってくれているという。また企業からのOEMで「こういうお米を作ってくれないか」という依頼も来るようになった。

 昨年からは中小企業基盤整備機構のインキュベーション施設「ながさき出島インキュベータ」チーフ・インキュベーションマネージャー(チーフIM)のサポートにより、販路拡大に努めてきた。ハウステンボスのイベント用や地元のレストランや道の駅のほか、東急ハンズなどでも販売されるようになっている。そのチーフIMの紹介で、地元テレビ局の番組にも取り上げられた。
 また、今年2月には同インキュベータが企画するパワーマッチング(大手業務用食品卸会社との商談会)へ参加し更なる販路拡大に取り組んでいる。

贈答用に力を入れる


 イベントの時には程々に注文が入るが、今後は受注を一定させることが目標。現在力を入れているのが、お祝い贈答用の米セットだ。コーティング米のカラフルさを生かし、フラワーアレンジのように籠に盛り合わせる。「花は飾っても枯れてしまって終わりだけれど、お米であれば食べられる。生花市場を調べてみたところ1兆円を超える規模であることがわかり、代替として少しでもシェアが獲得できればと考えています」。

 海外からの引き合いも来ている。中国のバイヤーから注目されているが、中国側の国外からの輸入米に対し規制があり輸出できないでいる。欧米からも商談が来ているものの、普通の米に比べどうしても値段が高くなるので二の足を踏んでいる状態だという。

 今後は販路拡大に向けて、東京や大阪など大都市の店舗との結びつきを強める。さらにイベントに向けた商品も企画している。「長崎の教会群が世界遺産に登録されなかったのは残念ですが、次は2020年の東京オリンピックに向けて5色の米の詰め合わせを考えています」。下山社長の発想力は尽きない。

 「マインドバンク」という社名は、「人の心の渇きを癒す商品を開発したい」という想いが込められたもの。安全で体にやさしいカラフルなお米が、食べる人の心を明るく癒していく。

会社概要
有限会社マインドバンク
所在地 長崎県佐世保市藤原町3-8
設立日 2002年5月7日
事業内容 オリジナル商品の開発・製造・販売・技術提供

ながさき出島インキュベータのサイト
http://www.smrj.go.jp/incubation/d-flag/
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