改修に約29億円、藤倉コンポジットが福島・小高工場を再稼働
藤倉コンポジットは、東日本大震災で操業を停止していた小高工場(福島県南相馬市)を再稼働する。約29億円を投じ、既存建屋2棟を改修する。2024年10月に稼働する棟では、次世代自動車など向けの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製産業用品やスポーツ用品の開発、製造を行う。25年3月に稼働予定の棟では液晶・半導体製造装置を中心とした構造部材の加工・組み立てを行う。
産業用品の製造スペースを確保し、NEP(次世代自動車)推進室と連携して進めているCFRP製産業用品のラインを設置する。CFRPの軽量化、複合化特性を生かした制振に寄与する部材の開発を継続し、量産も拡大する。スポーツ用品は需要増に伴う増産体制構築のほか、ゴルフシャフトの評価施設を再整備する。
材料供給工場として稼働予定だった建屋は液晶・半導体関連の加工・組立工場とする。常時温度管理された環境での精密加工やマイクロメートル(マイクロは100万分の1)オーダーでの組み立てが可能。現在、原町工場(同)で手がける液晶・半導体市場向け精密空圧機器の生産も集約する。
日刊工業新聞 2023年月6月6日