30代親方は年収1.8倍、積水ハウスが住宅技能工の待遇を改善する背景
積水ハウスは29日、グループ会社の積水ハウス建設で、高卒者を対象に住宅技能工の待遇改善と採用強化を進めると発表した。2024年4月から30代親方の年収を現状比最大1・8倍の約900万円に引き上げる。これは同年代の工事従事者平均2倍程度。新規の採用数は24年に23年実績比2・4倍の95人、25年に同3・4倍の133人を計画する。建設業界での24年4月からの時間外労働の制限適用にあたり若年層の取り込みを強化する。
積水ハウスは積水ハウス建設の住宅技能工が、協力工事店と連携して現場の施工を担う。若手住宅技能工の初任給は23年4月に最大11%引き上げた。
同社のような元請け会社が施工者を直接雇用するのは建設業界でも珍しいという。積水ハウスの大村泰志常務執行役員は「協力工事店に同様の(時間外労働の)規制をかけるのは難しい。働く人が減る中、当社のように制度を確立できる会社が採用を強化することが重要だ」と意義を説明した。
日刊工業新聞 2023年月5月30日