鉄骨戸建て住宅の外壁廃棄物94%削減、積水ハウスが導入する新設備の中身
積水ハウスは同社鉄骨戸建住宅の約9割に使用されている外壁「ダインコンクリート」の生産時に発生する廃棄物を、外壁の原材料として再資源化する新設備を導入する。約2億8000万円を投じて兵庫工場(兵庫県加東市)と関東工場(茨城県古河市)に設置し、2023年までに順次稼働する。同外壁の生産時に発生する年間廃棄物量の約94%に当たる1485トンが削減できる見込み。原材料費、廃棄物の処分コストの低減につなげる。
新設備は生産設備に付着しているコンクリート破片を洗い流した洗浄水などを脱水、固形化、破砕するなどしてダインコンクリートの原材料に再生する。再生材料をダインコンクリートの生産時に、原材料の約5―6%混合しても現状と同等の品質を確保できる。
同社の住宅部材工場は全国5拠点で年間廃棄物量は約7898トン。その約20%をダインコンクリート関連が占める。現在、ダインコンクリートの廃材は中間処理した上で道路舗装の路盤材としてリサイクルしている。ただ廃棄物処理費用の高騰や原材料価格の高騰を背景に、廃材を再び同じ製品の原材料として利用する建築資材のサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指す。
同社は07年までに生産、施工、リフォームなどのアフターメンテナンスで発生する廃棄物のリサイクル率100%を達成している。そのうち再資源化可能なマテリアルリサイクルが約81%を占めるが、将来的に90%に引き上げる目標も掲げる。
日刊工業新聞2022年7月6日