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社員の強み共有…ワックデータサービスの「幸せ経営」が実現すること

ワックデータサービス(埼玉県富士見市、渡辺和久社長)は、社員のウェルビーイング(心身の健康と幸福)実現に向け「幸せ経営」を推進している。有志社員を中心に推進チーム「Teamぽとす」を発足。具体的なアクションプランを作成し、全社の経営計画に盛り込んだ。従業員一人ひとりの幸せを実現し、生産性や創造性の向上につなげる。

「みんなの個性が生きて楽しく、活躍しながらも、一人ひとりの仲間を大事にし合える会社」「社会の役に立っていると実感できて、世界中から感謝される会社」「新たなチャレンジを歓迎する会社」―。幸せ経営に向けて社内で集めた約50個の意見から、推進チームがワックデータサービスが目指す企業像を定めた。

この理想を実現するため、具体的なアクションプランを作成した。例えば社員の個性を生かすため、「ストレングスファインダー(才能診断)」を実施する。自身の強み・弱みを知り、全社・部署で共有する。「お互いに強みや弱みを補完でき、個性をポジティブに変えることができる」と推進チームのメンバーの一人は説明する。

全社をチームに分けて講座を受講し、10月をめどに自己紹介シートを作成し、共有する予定だ。意思疎通しやすい雰囲気づくりのため、部署横断の昼食会や座談会なども定期的に実施する。

また、社会の役に立っていることを実感するため、社内展示を企画する。「自社の製品がどこでどう使われているのか説明しにくいという声も多い」(推進チームのメンバー)ことから、同社の繊維機械用アクチュエーターや制御用コントローラーを使用して編まれた最終製品を展示し、製品の関わりを体系的にわかりやすく紹介する。国際繊維機械見本市などで展示物を収集し、2024年2月にも社内展示会を開く。

新たなチャレンジを促すため、企画提案制度も策定する。仕組みや募集要項など概要を詰め、9月にも開始したい考え。段階を追って制度を拡充し「新たなチャレンジを歓迎する文化を会社に根付かせる」(同)方針だ。

同社は22年度から「幸せな会社作り」を開始。研修やワークショップを実施してきた。幸せ経営に取り組む企業が増える中、推進チームが中心となり、企画立案・実行しているのも特徴的だ。「まずはアクションプランをやりきる。成功経験を重ねることで次につながる」とメンバーは強調する。幸せ経営を全社に普及し、顧客に喜ばれる商品やサービスを生み出していく。

日刊工業新聞 2023年月5月30日

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