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「車載」開拓で売り上げ倍増へ、恵和が光学シート事業で生かす強み

「車載」開拓で売り上げ倍増へ、恵和が光学シート事業で生かす強み

光拡散フィルム「オパルス」

恵和は主力の光学シート事業で5年後までに2022年12月期比倍増の売上高350億円程度を目指す。自動車の電気自動車(EV)シフトや自動運転の進展などによって需要拡大が見込まれる車載ディスプレー向けの市場を中心に開拓する。より画質が優れるミニLED直下型の需要増を追い風に、採用実績の強みを生かしながら事業の拡大につなげる。

恵和は光学シート事業で、液晶ディスプレーバックライトユニット向け光拡散フィルム「オパルス」などの製品を展開。ミニLED直下型の採用が進むノートパソコンのハイエンド製品用を中心に高いシェアを持つという。こうした採用実績などを生かした車載ディスプレー向けの営業活動に力を入れる。

EVシフトや自動運転の進展に伴って車室空間の快適性などが求められる中、車載ディスプレーの数の増加や大型化も進んでいく見通し。液晶画面のLEDライト配置としてミニLED直下型が車載向けでも増えるとみられている。画面全体に配置する直下型は、従来の画面の端にLEDライトを配置するエッジ型に比べて映像描写にメリハリが出るなど画質向上につながる。

同社はエッジ型向けでも高いシェアを持っており、車載向け顧客のネットワークを生かした営業活動を行う。

光学シート事業の22年12月期の売上高は174億6200万円で、同社の連結決算全体の8割以上を占める。車載ディスプレー向けの強化によって主力事業をより盤石にする。

足利正夫社長は「コロナ禍での仕事のやり方が一般化してしまっている。きちんと動けるリーダーを据えるなど組織も再編していきたい」と話す。

日刊工業新聞 2023年05月11日

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