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半導体ナノシートにペプチド覆い利用、東工大が高感度バイオセンサー開発

半導体ナノシートにペプチド覆い利用、東工大が高感度バイオセンサー開発

半導体ナノシートでのセンシングイメージ(東工大提供)

東京工業大学の早水裕平准教授と弘前大学の関貴一助教らは、半導体ナノシート(ナノは10億分の1)をペプチドで修飾し、高感度バイオセンサーにすることに成功した。半導体特性をもつ二硫化モリブデンのナノシートを利用する。1フェムトモル(フェムトは1000兆分の1)の微量のたんぱく質を検出できた。

二硫化モリブデンのナノシート表面を、15個のアミノ酸がつながったペプチドで覆ってセンサーとして利用する。ペプチドは自己組織化し、緻密な単分子膜ができることを確認した。ペプチドの端に低分子のビオチンをつなげておくと、たんぱく質のアビジンと強固に結合する。

実験では1フェムトモルのアビジンを検出できた。たんぱく質が半導体特性を変化させて電気的に捉えられた。ペプチドを変えるとさまざまな生体分子を測れる可能性がある。

日刊工業新聞 2023年04月28日

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