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三菱マテ・東工大が合成成功、新しい結晶構造「酸化スズ」の実力

三菱マテリアルと東京工業大学は、新しい結晶構造を持つ酸化スズの合成に成功した。従来の酸化スズと比べ幅広い可視光が吸収でき光吸収により生成した電子の還元力が強いため、二酸化炭素を一酸化炭素に還元する光触媒として人工光合成への応用が期待される。今回、合成に成功したのは直方晶の四酸化三スズ(Sn3O4)で、簡易な水熱法で実現した。

従来の光触媒材料は太陽光エネルギーが半分超を占める可視光によって機能するが、高価な金属元素の含有や毒性物質で構成されるなどの課題があった。一方、特定の結晶構造をもつ酸化スズは可視光のもとで光触媒として機能することが知られている。

合成に成功した新結晶構造の酸化スズは、これまでより幅広い可視光が吸収でき電子の還元力が強い。また、この水熱法では反応容器内の原料溶液の割合を変化させ気相酸素量を制御することで、結晶多形を作り分けることに成功した。

研究過程では三菱マテリアルがノウハウを蓄積するシミュレーション技術が物質構造・特性を明らかにするプロセスで貢献した。今回の研究は2022年9月、東工大に設置した「三菱マテリアル サステナビリティ革新協働研究拠点」での共同研究の一環。

日刊工業新聞2023年3月20日

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