売上高10倍に…帝人フロンティアがスマートセンシングで攻める
帝人フロンティア(大阪市北区、平田恭成社長)はスマートセンシング事業を強化する。RFID(無線識別)ソリューションを展開するスマートセンシング部を帝人から移管して新事業開発部と統合、新事業推進本部を発足した。既存事業の衣料繊維・産業資材とのシナジーを生み、RFIDソリューションの用途を開拓する。国内向けスマートセンシング事業において、2030年度の売上高を23年度比約10倍の50億円に引き上げる。
帝人フロンティアはRFID管理システム「Recoシリーズ」を展開している。シート状のアンテナで920メガヘルツ(メガは100万)帯のICタグを読み取り、製品の位置や入出庫の情報を正確に把握し、管理業務を効率化する。病院内の医療機器や物品の管理、半導体ウエハーの仕掛かり在庫の自動管理などで採用実績がある。
今後は産業資材のトレーサビリティー(履歴管理)や、避難所での防災品の在庫管理といった用途を想定する。20日、都内で会見した重村幸弘取締役執行役員は「10年でICタグの価格も約10分の1になった。市場はますます拡大するだろう」と話した。
日刊工業新聞 2023年04月21日