メモリー半導体向け接着フィルム6割増産、レゾナックが52億円投資
レゾナックは4日、五井事業所(鹿島)(茨城県神栖市)で52億円を投じ、半導体パッケージング用接着フィルムの生産能力を増強すると発表した。同社グループ全体での生産能力を従来比約6割高める。稼働開始は2026年の予定。主にメモリー半導体向けに使われる製品として需要が拡大しており、長期的に堅調な成長が見込まれることに対応する。
生産を増強する「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」は、積層化が進む半導体チップの接着に必要な超薄型フィルム状接着剤。同社は世界トップシェアを有するという。ウエハーから半導体チップを切り出す際に使用するダイシングテープの機能を併せ持つ一体型フィルムで、ウエハー裏面へのフィルムの貼り付けを一度にできる。製造工程の短縮に貢献できる。
近年、クラウドサーバーの利用やデータセンター等通信インフラの需要が拡大。さらにメタバース(仮想空間)など新しいテクノロジーの発展によって、膨大なデータの蓄積・処理を手がける高性能メモリー半導体などの需要拡大が予想されるため、同フィルムの生産増強を決めた。
同社は五井事業所に加え、21年から中国拠点でも生産している。
【関連記事】 パワー半導体の規模拡大に消極的だった富士電機が攻めに転じたワケ
日刊工業新聞 2023年04月05日