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半導体製造装置23品目が輸出管理対象に…日本企業への影響は?

経産省が追加

経済産業省は半導体製造装置23品目を新たに輸出管理の対象とする。回路線幅14ナノメートル(ナノは10億分の1)以下のロジック半導体などの製造に関する装置を追加。対象は全地域。対中輸出規制を強化する米国が、日本とオランダにも協力を求めていたが「特定の国を念頭に置くものではない」(西村康稔経産相)としている。安全保障環境が厳しさを増す中、軍事転用を防止するのが狙い。先端半導体サプライチェーン(供給網)の中核をなす国々で輸出管理を厳格化する動きが広がる。

経産省は外為法に基づき、装置の仕様を定める省令を改正する。29日までに意見を公募し、7月に施行する予定。

1ケタナノメートル台の半導体を製造するのに欠かせない極端紫外線(EUV)のマスク用防護カバー製造装置やEUV用に設計された塗布・現像装置などが対象になる。EUVの1世代前「ArF液浸」露光装置も追加。米国、韓国、台湾など42カ国・地域は手続きを簡素化できる「包括許可」が適用されるが、中国などは「個別許可」が必要となる。

経産省は「対象を高性能半導体に絞っており、日本企業への影響は限定的だ」(幹部)としている。東京エレクトロンはEUV用塗布・現像装置を、ニコンがArF液浸露光装置を扱っている。

米国は2022年10月に対中輸出規制を大幅に強化。抜け穴を防ぐために製造装置を強みとする日本とオランダに協力を呼びかけていた。西村経産相は「わが国として必要と考える措置を導入するものだ。米国の措置に足並みをそろえたり、追随したりするものではない」と説明している。オランダ政府も中国を名指しせず、半導体製造装置の輸出規制を導入する方針。

西村経産相は「軍事的な用途に利用された場合、国際的な平和や安全の維持を妨げる恐れがある。わが国は製造装置で高い競争力がり、技術保有国として国際社会における責任を果たす」としている。

日刊工業新聞 2023年04月03日

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