半導体装置需要など取り込む、TDKラムダが直流電圧変換器で新製品
TDK子会社で電源部品を手がけるTDKラムダ(東京都中央区、八鳥佐内社長)は、直流電圧変換器(DC―DCコンバーター)の「CCGシリーズ」に出力電力が6ワットと10ワットの2タイプ(写真)を追加した。電圧の変換効率を高めることで小型化を実現した。半導体製造装置から移動式の医療機器まで幅広い分野の需要を取り込む。長岡テクニカルセンター(新潟県長岡市)で3月から生産を開始しており、5年後に年間10億円の売り上げを目指す。
サイズは幅19ミリ×高さ11・5ミリ(表面実装タイプは11・8ミリ)×奥行き12・4ミリメートルで、「業界最小クラス」(同社)。実装面積は同社の従来品よりも6ワットタイプで約50%、10ワットタイプで約70%小さい。重さは4グラムと、6ワットタイプで約30%、10ワットタイプで約60%軽くした。
TDKラムダが開発した設計プログラムを使用。トランスの構成を最適化するなどして、電圧の変換効率を81―90%(同社従来品は77―88%)に高め、小型化につなげた。
同様に設計の工夫で動作温度の上限を6ワットで95度C、10ワットで90度Cに引き上げた。最終製品の小型化で放熱範囲が狭まり、DC―DCコンバーター周辺の温度が高くなることへの対応力を高めた。
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日刊工業新聞 2023年03月31日