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10トン12分でフル積載、トラック荷積み自動化装置がスゴい

オークラ輸送機が開発
10トン12分でフル積載、トラック荷積み自動化装置がスゴい

オークラ輸送機が開発した、トラックへの自動積み込み装置「コンパクト型トラックローダ」のイメージ

オークラ輸送機(兵庫県加古川市、大庫良一社長)は、フォークリフトに代わり、トラックへの荷積みを高速かつ完全自動化できるローディング(積み込み)装置を開発した。10トントラックに標準パレット(1100ミリメートル四方サイズ)をフル積載(16パレット分)する積み込みを約12分で行う。荷待ち時間を大幅に短縮でき、トラック運転手の長時間労働規制「2024年問題」に対応する。中堅以上の物流現場をターゲットに据え、4月1日に受注を始める。

新装置「コンパクト型トラックローダ」は、大手飲料系工場倉庫向けで実績がある同社の大型荷積み装置の技術をベースに開発した。大型装置は1日100台ほどのトラックの物流対応が前提だったが、今回は幅広い市場が見込める1日30台ほどのトラックが行き交う物流現場を対象とする。年間10システムの販売を目指す。

フォーク搭載の水平移動装置が、出荷バースから荷物を載せたパレットを二つずつ持ち上げ、トラック側面から積み込む。最大積載荷重1700キログラムで1時間当たり80パレットの処理能力を持つ。

荷台の高さや積み込む位置などを正確に読み取る独自のセンサー技術で、パレットをすき間なく積み込める。本体と2本の移動用レール、侵入防止柵で構成し、システムの概算価格は約8000万円。

物流業界では24年4月からトラック運転手の時間外労働時間の上限が制限される「2024年問題」への対応が迫られている。また人が操作するフォークリフトでの積み込みは、安全面の課題や人手不足もあり、自動化ニーズが高まっているという。

日刊工業新聞 2023年03月28日

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