日本ガイシが知多事業所の絶縁体「がいし」の製造を終了する背景事情
日本ガイシは知多事業所(愛知県半田市)で手がける電力設備向け絶縁体「がいし」の製造を数年以内に終了する。同拠点の生産品目を他拠点に移管する予定はない。国内市場の縮小や競合との競争激化を踏まえて決定した。がいし売上高の393億円(2022年3月期)のうち、知多事業所が占めるのは約2割の約70億円。製造に携わる約140人の従業員は配置転換する。
製造を終えるのは、大型のがい管とブッシングに加え、SPがいしや長幹がいし、LPがいし。いずれも発電所や送電鉄塔、変電所などの電力設備で使われるが、電力会社による投資が手控えられていた。日本ガイシは「今後も需要減少が続くと予想され、業績の改善は困難」としている。顧客への今後の対応は個別に相談する。
がいしの製造拠点は小牧事業所(同小牧市)と明知ガイシ(岐阜県恵那市)、NGKロック(米バージニア州)の3カ所になる。これらの事業所で手がける電力・鉄道会社向けがいしの製造は継続する。これまでも合理化の一環として中国などの工場を閉鎖してきた。
日刊工業新聞 2023年03月28日