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電動車でも欠かせないEWP、GMBが3極生産体制を整備

電動車でも欠かせないEWP、GMBが3極生産体制を整備

GMBの本社・奈良工場(同社提供)

GMBは2025年3月期をめどに、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)の周辺装置を冷却する電動ウオーターポンプ(EWP)の3極生産体制を整える。先行し手がける韓国子会社に加えて23年7月に米子会社でも生産開始し、24年には本社・奈良工場(奈良県川西町)に約3億円を投じてEWPの生産ラインを設ける計画。環境対応車でも欠かせない冷却装置の基盤固めを急ぐ。

EWPは電動車でも冷却用として不可欠な部品となる。自動車以外に電動化の開発が進む農業機械でも今後の引き合い増を見込む。OEM(相手先ブランド)供給するEWPは、大手自動車部品メーカーなどがモジュール化して使う。

GMBのEWPは韓国子会社で10年から生産を始め、現在は年180万台程度を生産する。米国向けは韓国から輸出しているが生産子会社、GMB米国(ミシガン州)を23年1月に設立。7月から米国で生産を開始し、まず米国系完成車メーカーなど向けに供給する。

建屋面積約2700平方メートルの工場をレンタルで確保しており、28年までに年100万台の生産体制を整える。本社・奈良工場では市場動向を見ながら早期に年30万台体制の確立を目指す。

23年3月期のGMB単体の設備投資は約5億円で、基幹システムの刷新や機械のオーバーホールなどに充てた。24年3月期は6億円程度を計画する。本社工場で今後のライン導入を見据え、約3000万円を投じて品質保証用の試験装置を導入する。


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日刊工業新聞 2023年03月22日

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