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KDDIが国内初運用、埋没型5G基地局が解決する課題

KDDIは東京都千代田区にある同社ビルの敷地内で埋設型第5世代通信(5G)基地局(写真)の運用を始めた。国内通信事業者として初めてだという。同基地局の活用により、美観地区など景観への配慮が必要な場所の通信エリア化を加速する。

同基地局は無線機やアンテナなど電波放射に必要な機器を地中に埋設した筐体(きょうたい)内に収納。上方に電波を輻射することで、地上に沿って通信エリア化する。防水性の高い金属製の筐体を採用し、浸水への耐性も考慮した。アンテナが地中にあることから、強風の影響も受けにくい。

KDDIは2018年から埋設型基地局の商用運用に向けた検討を進めていた。22年12月に同基地局の電波発射に成功し、23年2月まで電波伝搬特性などの検証を実施。半径約50メートルの通信エリアが確保できることを確認した。

従来の鉄塔設置型やビル屋上設置型の基地局は、基地局アンテナが露出していることで景観に影響を与える可能性がある。21年には、埋設型基地局を対象とした総務省の電波防護指針の新制度が施行されていた。KDDIは、既存の基地局設置形態にとらわれない新しいコンセプトの基地局の開発を今後も継続していく方針。

日刊工業新聞 2023年03月16日

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