実質賃金8年8カ月ぶり大幅下落、物価の伸びに給与追いつかない
厚生労働省が7日発表した1月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比4・1%減となった。8年8カ月ぶりの大幅な減少率を記録した。厚労省は「物価の伸びに給与の伸びが追いついていない」とみている。
現金給与総額(名目賃金)は、同0・8%増の27万6857円と、13カ月連続で上昇した。所定内給与は同0・8%増の24万7153円。残業代を中心とする所定外給与は同1・1%増の1万8647円だった。名目賃金を新型コロナウイルスの感染拡大前の2020年1月と比べると、0・2%減で、コロナ前の水準に達していない。
1人平均の総実労働時間は、一般労働者が前年同月比0・9%減の151・9時間。パートタイム労働者が同1・8%減の75・8時間。製造業の所定外労働時間は前月比3・3%減(季節調整済)だった。
日刊工業新聞 2023年03月08日