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乾燥消費エネ25%減、東レエンジがリチウム電極塗工で新装置

東レエンジニアリング(東京都中央区、岩出卓社長)は2日、乾燥工程の使用エネルギー量を従来比約25%削減できるリチウムイオン電池(LiB)電極用塗工装置「グリーンコーター=イメージ」を4月に発売すると発表した。LiB電極の製造工程では塗液の乾燥時に大量のエネルギーを消費するため、環境負荷低減を訴求する。2023年度に15億円、26年度に50億円の受注を目指す。

独自開発した乾燥システムを採用した。乾燥炉と有機溶剤回収ユニットを一体化し、乾燥後の熱風に含まれる溶剤を回収しつつ熱を再利用できる。これまで熱風は工場外の溶剤回収設備で排気していた。

有機溶剤などの爆発性ガスの引火を防ぐ防爆基準管理濃度が近年、規制緩和されたため、同装置を使って管理濃度と循環条件を最適化すればエネルギー消費量を最大で同55%抑えることも可能。

LiB電極は電極材料と有機溶剤を調合した塗液を金属素材に塗布・乾燥させて製造する。製造工程では乾燥が全エネルギー消費の約半分を占める。

日刊工業新聞 2023年03月03日

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