ニュースイッチ

車載用パワー半導体チップ外観検査の新型装置、東レエンジMIが投入を決めた理由

車載用パワー半導体チップ外観検査の新型装置、東レエンジMIが投入を決めた理由

検査時間は1チップ当たり0.6秒と高速化を実現した半導体チップ外観検査装置「INSPECTRA CR-Ⅲ」

東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー(東レエンジMI、横浜市港北区、佐藤謙二社長)は、車載用パワー半導体チップの外観検査装置を2023年1月に発売する。車載用パワー半導体チップの検査が高精度化していることや、生産量の増加で効率化が求められていることなどを理由に、チップ検査専用機の投入を決めた。受注高で23年度に6億円、25年度に10億円を目指す。

メタル欠損や表面傷など、1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)程度の欠陥を検知できる。検査時間は1チップ当たり0・6秒と高速化を実現した。半導体ウエハー外観検査装置の光学顕微鏡技術や、ボンダーの半導体チップのハンドリング技術などを応用した。

パワー半導体チップの外観検査は従来、電子部品の検査装置を流用することが一般的だった。パワー半導体は航続距離の延伸など電気自動車(EV)の性能に直結するため、さらなる安全性や信頼性の向上が求められていた。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)や炭化ケイ素(SiC)の車載用パワーモジュールの世界市場は、25年まで年率20%で拡大が見込まれている。


【関連記事】 パワー半導体の規模拡大に消極的だった富士電機が攻めに転じたワケ
日刊工業新聞 2022年12月14日

編集部のおすすめ