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限られた経営資源で最大の成果を得るための3つのステップ

小さなものづくり企業の営業改革大作戦 #6
限られた経営資源で最大の成果を得るための3つのステップ

アイキャッチイラスト:石山さやか(@shiya07)

『小さなものづくり企業の営業改革大作戦』では、筆者がメーカー営業時代に1人体制で最大限の成果を目指すため、「いかに自分が動かずに受注するか」を突き詰めて構築した「売れるようにする営業 基本の3ステップ」を紹介している。他業務との兼任で、組織的な営業活動は叶わず、広告予算が潤沢にあるわけでもないという環境は、町工場とよく似ている。人数も工数も予算も限られた状態でも営業に取組むことができるメソッドだ。

ステップ1 強みとターゲットを絞り込む

最初のステップは、強みとターゲットを絞り込むことだ。売りたい製品やサービスがあるからといってテレビCMをバンバン打つ予算はないし、そもそもテレビの視聴層が自社の技術を必要とする潜在顧客層ではない可能性が高いので、これは間違った打ち手。限られた予算・時間の中で、未来のお客様に情報を届けるためには「自社の売りは何か(=強み)」、「自社の製品や技術を誰が必要としているか(=ターゲット)」をはっきりさせないと、結果誰にも届かないということになりかねない。商品・技術の強みを特定し、その情報を誰に届けたいかを明確にするのが、営業活動を始める前の第一歩といえる。

ステップ2 引き合いを呼ぶ営業

ステップ2は、引き合いを呼ぶ営業。ステップ1で顧客ターゲットターゲットが明確になって、未来の顧客に伝えたい「強み」が見つかったとしても、会社に引きこもって動かなければ、誰も存在に気付いてくれない。「まずは行動から!」と意気込んで飛び込み営業をしてみたところで、必要としていない人や会社に強引に売り込んでも絶対に売れない。
 だから必要としている人に情報を届けるアプローチをして、興味を持ってくれた人に説明する準備をしておくことが大切。先方からご連絡いただけるような仕組みを作り、引き合いを呼び込むのが二つ目のステップだ。来てほしい潜在顧客に情報を届け、向こうから引き合いをもらえるような準備をしていこう。

ステップ3 決めてもらう営業

ステップ3は発注を決めてもらう、言い換えると選定してもらう営業活動になる。実はここが一番大切で、ここでようやく「営業」として、気合いを入れて動くフェーズに入る。
 ステップ1と2の準備が成功してせっかく引き合いをくれたユーザーさんに、「この会社に依頼するのはやめよう」「この人から買うのはやめておこう」「この機械ではなくて別のにしよう」と思われたら残念なことこの上ない。
 引き合い、問合せをくれたということは、自社の製品やサービスに多少なりとも興味を持ってくれているということ。だから先方の疑問や不安要素がなくなれば、強引に売り込まなくても受注に至る確度は高い。営業の仕事は、最後に気持ちよく発注いただけるような環境を作ることと認識を変えてみよう。3つめは、「この会社から、この人から、この製品を買おう」と思ってもらうにはどうしたらいいか」を考えてほしい。

この3つのステップ、筆者は装置の営業で実践したが、売るのが加工技術や部品、製品だったとしても原則は同じだ。地道に実践すればお客様のほうから注文書を送っていただけるようになるので、この先も「自社のケースだったら?」という気持ちを持って読み進め、身につけて実践していただきたい。

【POINT】
自社の技術を必要としている人に情報を届け
気持ち良く発注してもらえる形を作ろう

貴社の営業力の現在地がわかる簡単なチャートを用意してみた。ぜひ試してみてほしい。
【中小製造業向け】営業の現在地確認チャート

<著者紹介>
ものづくりライター 新開 潤子
『小さなものづくり企業の営業改革大作戦(日刊工業新聞社)』の著者であるものづくりライター。中小製造業を中心に取材活動を行いながら、「ものづくり企業の商売繁盛を全力で応援するサポーター」として経営計画、営業の仕組み導入などのコンサルティングを行っている。
(オフィス・キートス 代表 https://office-kiitos.biz/

小さな製造業の営業は「売り込む」ではなく「売れる仕組みを作る」が正解だった――激変する経営環境の中で「営業なんてしたことない」「営業マンがいない」というものづくり企業のための、ひとりからできる「営業」の打ち手集。

書名:小さなものづくり企業の営業改革大作戦
著者名:新開潤子
判型:B5判
総頁数:104頁
税込み価格: 2,035円
<販売サイト>
Nikkan Book Store
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小さなものづくり企業の営業改革大作戦
小さなものづくり企業の営業改革大作戦
製造業の営業の現場で実践して新規顧客、売上を獲得してきた具体的な方法の中から町工場がすぐに取り組める内容を取り上げ、ひとりから始められる「売れる仕組み作り」の記事を連載でお届けする。

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