サッカー選手の寿命延伸へ、ココロミルが心電図解析サービス
ココロミル(東京都新宿区、林大貴社長)は、2023年シーズンの公式パートナー契約を結んだサッカーJ1の「湘南ベルマーレ」に心電図解析サービスを提供する。2月中にまずトップチームの選手約30人全員に心電計を使ったチェックを実施。睡眠とパフォーマンスの相関性を可視化するほか、心疾患の早期発見で選手寿命を延伸できるよう支援する。睡眠時を含めた長時間、アスリートに心電計を装着して健康状態を確認するのは初めてという。
提供するのは同社サービスの「ココロミル」。手のひらサイズの高精度ウエアラブル心電計を対象者の胸部に付けて8―24時間計測し、取得した心電図データを専用のスマートフォン経由で専門医に送った上で解析する。心不全と合併しやすいとされる睡眠時無呼吸症候群、不整脈を検知できるほか、睡眠の質やストレスの兆候を可視化できる。
湘南ベルマーレはシーズン中、他の選手にも着用させるほかスタッフにも対象を拡大。心電図データを10―15秒程度しか取得しない定期健康診断では見つけにくい軽度な心疾患の早期発見に役立てる。個別に健康状態を把握し、パフォーマンスを最大限に引き出すことも期待している。ココロミルはベルマーレへの提供を認知度の向上につなげる。
近年、プレッシャーから不眠状態が続くなどテニス、サッカーなどのアスリートを対象とした心の病や心疾患の対策とリスク管理が課題となっている。
同社は21年設立。国内22の大学病院で使われる心電計をレンタルで提供して計測するサービスを法人向けなどに展開。累計80社以上への提供実績がある。
日刊工業新聞 2023年02月09日