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鹿島が独自技術生かす、建物緑化で提案する効果

鹿島が独自技術生かす、建物緑化で提案する効果

雨水の貯留・浸透効果を持たせた外構緑地システムDEWレインガーデン

鹿島は建物の外構や屋上、壁面を緑化する独自技術を組み合わせて提案するソリューションビジネスを始める。生物多様性の確保や、敷地外に流出する雨水の削減といった効果を見込んでいる。これら技術を今回、自社施設で初めて同時に採用。ここでの実証を通して性能を向上させ、地域の防災・減災、さらに生物多様性を回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」に貢献する。

鹿島は雨水の貯留・浸透効果を持たせた外構緑地システム「DEWレインガーデン」を開発。これに既存技術を改良した屋上緑化システムと、雨水をためるタンクを備えた壁面緑化システムを組み合わせて提案する。都市部での豪雨災害が頻発化・激甚化する中で、雨水を貯留・浸透させることで流出を抑え、豪雨災害のリスクを軽減する仕組みとして訴求する。

DEWレインガーデンは現地の掘削土に土壌資材を配合することで、雨水の保水性と浸透性を両立させた。保水性と浸透性は任意で調整可能なため、緑化に当たってはあらゆる環境で生育する植物を選択できる。

その花や実を求めて鳥や昆虫が集まるため、生物多様性にもつながる。1日当たり100ミリメートルの降雨量では、一般的な外構土の4倍の雨水貯留能力を確認した。

今後、同社は関連技術とソリューションを普及させるとともに技術の性能向上を継続し、防災・減災の対策、生物多様性や各種環境認証の取得などに生かす。

日刊工業新聞 2023年02月03日

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