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防衛省が装備品輸出の需要を探るワケ

東南ア中心に調査
防衛省が装備品輸出の需要を探るワケ

新型潜水艦「じんげい」

防衛省は東南アジアを念頭に、防衛装備移転の実現可能性の調査活動を拡充する。需要がある装備品や技術を国別に探索し、分析・注力する装備品を定めた上で、当局への売り込みや展示会出展といった採用に向けた提案活動につなげる。インド、インドネシア、タイ、ベトナムについては調査を開始済みで今後、他の国に対しても検討し、装備品産業の振興につなげる。

日本の装備品輸出は、フィリピンへの三菱電機製の航空監視レーダー1件にとどまっている。調査活動の強化をテコに輸出事例を増やしていく方針だ。

国内では防衛装備品産業から撤退する企業が相次いでおり、その多くが利益率の低さとともに安定受注が見込めないことを理由として挙げている。納入先が自衛隊に限られるため予算全体のしわ寄せを受けて契約が次年度はゼロになるケースも珍しくなく、生産計画を立てにくい。

装備品は護衛艦や潜水艦、輸送機のような大型品から中小型品、システム技術まで幅広い。「東南アジア諸国でも国によってニーズが異なり、国別の戦略が不可欠」(同省)。案件によっては日米共同開発の装備品などもあり、こうした場合は米国との調整も不可欠だ。こうした事情も踏まえながら調査や提案活動を進める。

2022年12月にベトナム国防省がハノイで開いた展示会には、三菱電機がレーダーを出展した。日本の装備品は外国と比べ割高なのが難点だが、「アフターサービスやメンテナンスがしっかりしている強みも強調し、売り込みたい」(同)考え。

日刊工業新聞 2023年01月20日

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