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車載電池市場の拡大取り込む、昭和電工が生産能力3割引き上げる「VGCF」の役割

車載電池市場の拡大取り込む、昭和電工が生産能力3割引き上げる「VGCF」の役割

昭和電工のVGCF

昭和電工は21日、リチウムイオン電池用導電助剤「VGCF(気相法炭素繊維)」の生産能力を従来比約3割増の年400トンへ引き上げると発表した。川崎事業所(川崎市川崎区)で能力増強工事を行い、2023年10月に稼働する。投資額は非公表。車載電池市場の拡大に対応する。

VGCFは、電池の正・負極に添加して、電池内でのリチウムイオンの行き来を助ける素材。電池は充放電を繰り返すと、徐々に同イオンの行き来が難しくなり、充電量が低下して性能が劣化する。VGCFはこれを防ぐ。VGCFは熱伝導性も高く、電極からの放熱を促す。電池の長寿命化や高容量化に寄与し、ライフサイクル全体で二酸化炭素排出量の削減につながる期待がある。

同社は他に同電池材料として負極材や負極材用バインダー、包材などを展開している。

日刊工業新聞 2022年12月22日

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