日野自動車は3カ月連続7割超減、半導体不足も影響するトラック販売の今
トラック業界関係者がまとめた11月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比31・1%減の4595台と、13カ月連続で前年同月の実績を割り込んだ。半導体不足が生産制約になり、販売にもマイナス影響を及ぼした。
4社中3社が前年同月の販売実績を下回った。UDトラックスのみ前年同月比15・3%増だった。UDが前年同月の販売実績を上回るのは、3カ月連続。2カ月続けてシェア20%台を確保した。「注文数が計画数を超える状況」(UD)となっている。ボルボ・グループの傘下だったUDは、他の国内トラックメーカーと異なる供給網で半導体を確保しているため、不足の影響を抑制。「サプライチェーンの課題をしっかり管理している」という。
国土交通省から型式指定を取り消す行政処分を受け、中大型トラックの一部車両を生産・販売できない状況が続いている日野自動車は、販売台数が同70・5%減と大幅に落ち込んだ。減少率が70%を超え、販売台数が4社中最下位になるのは3カ月連続。型式指定を取り消された一部車両の型式再取得は、2023年1月以降になるため、当面販売減が続く。
いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バスも販売台数が前年同月を下回ったものの、先月よりも減少率は縮小。ただ、半導体不足の影響が想定よりも長期化している。いすゞは22年度下期に半導体不足が解消すると説明してきたが、解消する時期を23年度上期に変更した。23年度は新型車の投入に伴って「新たなサプライヤーが加わるので、(半導体不足が)改善傾向になるとみている」(いすゞの中俣直人常務執行役員)という。
車種別の販売実績は、中型が同35・3%減、大型が同28・6%減だった。ともにUDを除く3社は前年同月の実績を割り込んだ。
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