日野自動車のエンジン不正問題、トラック販売に表れてきた悪影響の深刻度

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日野自の主力大型トラック「プロフィア」(同社提供)

日野自動車のエンジン不正問題の影響が、トラックの国内販売台数に大きく表れてきた。8月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の国内販売台数は、前年同月比69・1%減と大きく下落した。日野自は8月22日までにトラックほぼ全車種の国内出荷を停止。トラックを販売できない事態に陥っている。長期化することで物流への悪影響が懸念されている。(石川雅基)

2021年に普通トラックの国内販売台数で4割近いシェアを握った日野自が窮地に立たされている。トラック業界関係者がまとめた、8月の販売台数は大型が同73・9%減、中型が同62・1%減だった。合計の販売台数は三菱ふそうトラック・バスに抜かれて3位となり、9月以降も減少率の拡大が必至だ。

ただ日野自以外の3社も半導体や部材不足がボトルネックになり、前年割れとなっている。4社合計の国内販売台数は同43・3%減と10カ月連続で前年同月の実績を下回った。不足する部品・部材は「日野自に搭載されているパーツとは違うものが多い」(トラックメーカー)ため、日野自の生産停止によって余剰となった部品を使って、他社が増産に動けるかは不透明だ。

ユーザーのヤマト運輸は「(出荷停止の)影響を日野自と連携して確認している」と現状を話す。

中古トラックの価格上昇も危惧される。トラックを扱うオークション会社は「半導体不足で価格が徐々に上昇してきたが、それに拍車がかかるのでは」と心配する。別のオークション会社も「まだ影響が表れているわけではない」としつつも「価格上昇は避けられない」とみる。

日野自のエンジン性能試験の不正をめぐっては、対象車が拡大している。3月、データ偽装が4機種で見つかり、型式指定を取り消す処分を受けた。8月には外部の特別調査委員会の調べで、生産する13機種でも不正が判明。搭載する中大型トラックなどの出荷を止めた。残る小型エンジンも国土交通省の立ち入り検査で不正が発覚。同月、小型トラックの出荷も停止した。

日刊工業新聞2022年9月2日

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日野自動車 トラック

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