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コロナ変異株に続きインフルエンザも、のど飴に不活化効果あり

大正製薬が「CPC」の効果を確認
コロナ変異株に続きインフルエンザも、のど飴に不活化効果あり

蒸留水に入れたH1N1(上)とCPCを1分間曝露したH1N1(同社提供)

大正製薬はのど飴などに配合されている殺菌成分「セチルピリジニウム塩化物水和物」(CPC)を0・0125%の濃度で1分間曝露させると、A型インフルエンザウイルス(H1N1)が99%以上不活化する(感染性を失わせる)ことを確認した。今冬、インフルエンザは新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されている。新型コロナウイルスの変異株にも効果があるCPCがさらに注目されそうだ。

別のA型インフルエンザウイルス(H3N2)はCPCを0・0125%の濃度で5分間曝露させると92%不活化し、0・3%の濃度で5分間曝露させると96%不活化した。北里環境科学センターへの委託試験による試験管内の実験(イン・ビトロ試験)の結果。

インフルエンザウイルス液とCPC溶液を1対9で混合し、15秒間、30秒間、1分間、3分間、5分間作用させ、感染性を持つウイルスがどの程度減少したかを評価した。

CPCは細菌の脂質二重膜で構成されている細胞膜を破壊することで殺菌作用を示すことが知られる。インフルエンザウイルスの膜状構造は脂質二重膜であり、CPCがこれを破壊することで不活化すると考えられる。

日刊工業新聞 2021年12月15日

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