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細さ毛髪の3分の1、ギネス認定された世界最小コイルの使い道

三和電機が生産に成功
細さ毛髪の3分の1、ギネス認定された世界最小コイルの使い道

開発した世界最小のコイル(上)。下は髪と同等の細さのワイヤ

三和電気(東京都品川区、宮崎裕二社長)は、直径27マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と、髪の毛の3分の1ほどの細さのコイルの生産に成功した。同社によると市販品では世界最小で、ギネス世界記録に認定された。製造装置の回転速度や切断方法などを工夫し、直径4マイクロメートルのタングステンを用いて実現した。

三和電気の社内調査では、同社が過去に製品化した直径37マイクロメートルのコイルが世界最小だった。狭ピッチ化が進む半導体の検査機器や電磁波の遮断フィルムなどへの採用を目指す。

三和電気は祖業の電球用フィラメント市場が縮小する中、半導体や航空宇宙、自動車の自動運転関連といった新分野の開拓に力を入れている。開発を担当した技術者は「細く切れやすい素材のために開発に1年を要した。世界記録に関われてうれしい」と喜んだ。

日刊工業新聞 2022年12月14日

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