日本電産が工作機械M&Aに1500億円投資、その候補は?
日本電産は2025年度までに工作機械メーカーのM&A(合併・買収)に約1500億円を投じる方針を明らかにした。海外市場で一定のシェアを握る日本や欧州、米国の企業を候補とする。製品群を広げ、機械商社や海外顧客への提案力を強化。日本電産グループで現状手がけていない工作機械に照準を合わせ、相乗効果を引き出す。30年度に工作機械を含む機械事業グループの売上高で1兆円を目指しており、M&Aにより達成に弾みを付ける。
M&Aの候補としては立型マシニングセンター(MC)や、内径もしくは外径研削盤、旋盤メーカー、歯車機械などのメーカー。安定収益を生み出せる工作機械用工具やサービス事業を手がける企業の買収も検討する。
日本電産は工作機械事業(減速機とプレス機を除く)の売上高を25年度までに現状の3倍超の2500億円に伸ばす方針。このうち1500億円以上をM&Aでまかなう計画だ。機械事業グループ全体の売上高としては、25年度までに現状比約5倍の5000億円を目指す。
グループで工作機械事業を統括する日本電産シンポ社長兼日本電産マシンツール会長兼ニデックオーケーケーの西本達也会長によると「売上高300億―500億円規模の工作機械メーカーを複数社買収する」方針だ。
300億円規模の企業では4―5件の買収案件案が浮上している。売上高50億―100億円超企業も事業展開の必要性に応じて適宜買収を進める。
日本電産は21年8月に三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール)を買収し、工作機械業界へ本格参入した。総合工作機械メーカーを目標とし、現在、開発力の強化やM&Aによって製品群や販路を広げている。すでに歯車機械やMCを揃えたほか、11月末には横中ぐり盤で世界シェア首位の伊大手工作機械メーカーのPAMAの買収を発表した。
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