3000億円の価値創出へ、NECが注力する事業開発プロジェクトの中身
NECは30日、研究開発を起点とした事業開発プロジェクトで、中期経営計画の最終年度となる2025年度までに3000億円の事業価値を創出すると発表した。金額は外部評価による客観的な算定法に基づく目標で、内訳は「ヘルスケア関連と、NEC発のスタートアップのドットデータ(カリフォルニア州)が中心」(西原基夫取締役執行役員常務)。具体的な利益貢献は非公表とした。
新規事業開発は、海外拠点を含め計1200人で構成する全社横断組織「グローバルイノベーションユニット」が推進母体となり、新たにスタートアップ支援のコンサルティングを始めた。事業価値創出では、本業との相乗効果に加え、知財のライセンスやキャピタルゲイン(資産値上がり益)なども想定する。
国内ではイノベーション創造拠点として、玉川事業場(川崎市中原区)内に地上12階の新棟を建設する。建設費は約330億円。25年6月の完成を予定する。
さらに新事業創出を目的に1億4000万ドル(約200億円)のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンドをこのほど組成した。出資したのはNTTファイナンスや日本産業パートナーズなど計6社。
同ファンドは海外中心に第5世代通信(5G)やスマートシティー(次世代環境都市)、ヘルスケア、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)などのスタートアップ企業に投資する。
日刊工業新聞 2022年12月01日