トンネル工事で働き方改革、NECと福田組がAIシステム開発
NECと福田組は、人為的な盛り土などが行われていない自然に形成されたままの地盤である地山を、動画と人工知能(AI)を活用して評価するシステムを共同開発した。トンネル掘削時の動画をAIで解析し、山岳トンネル工事現場で常時行われている地山の良否の評価作業を支援する。これによりトンネル技術者は現場での立ち会い時間を減らせ、働き方改革に役立つ。
従来型の画像解析やAI画像認識、音声解析を要素技術として活用。全体のシステムは市販のビデオカメラと学習済みAIモデルを搭載した解析サーバー、解析結果を可視化する閲覧アプリケーションで構成する。
トンネル掘削の最先端部(切羽)で撮影した掘削時の動画をクラウドにアップロードして解析サーバーで解析し、掘削によって地山の崩れる様子を自動で検知することで、地山状態の良否を評価する仕組み。
解析結果は動画経過時間と地山状態を評価したレベル表記との関係性をグラフで表示するなど、リポートとして自動生成する。グラフ上の任意点を選択すると、該当する時間の撮影シーンを簡単に確認できる。
福田組は今後、システムの改善を進めて全国のトンネル現場への展開を計画する。
日刊工業新聞2022年10月18日