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「大型アンモニア輸送船」開発へ、JERA・日本郵船・商船三井が手を組んだ

「大型アンモニア輸送船」開発へ、JERA・日本郵船・商船三井が手を組んだ

日本郵船のアンモニア輸送船のイメージ

JERAは日本郵船商船三井との間で、燃料アンモニアの輸送に向けた検討を開始するため、覚書をそれぞれと締結した。2020年代後半に商業運転開始を予定する石炭が燃料の「碧南火力発電所」(愛知県碧南市)などに向けてのもので、アンモニアを混焼することにより、環境負荷を低減する。海運2社との間で2隻以上の輸送船を建造し、27年度に運航を開始。年間50万トンのアンモニアを海外から輸送する。

大型アンモニア輸送船の開発のほか、輸送・受け入れ態勢の構築などを検討する。1隻当たりの輸送能力は5万―6万トンを見込み、建造費は100億円以上を想定する。費用負担は海運2社と今後詰める。

JERAは同発電所4号機で燃料アンモニアの熱量費20%の混焼を計画する。2月には製造時に二酸化炭素(CO2)が発生しないか、もしくは回収・貯留される燃料アンモニアの調達に関する国際入札を実施した。

これらの取り組みにより、上流から発電に至るまで、世界初の燃料アンモニアのサプライチェーン(供給網)を構築することを目指している。

アンモニアは燃焼時にCO2を排出しないため、次世代のクリーンエネルギーとして火力発電所への混焼利用のほか、船舶用の燃料などとして需要の伸びが期待される。

日刊工業新聞 2022年11月22日

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