竹中工務店が開発、3時間耐火「集成木材」の仕組み
竹中工務店は耐火集成木材「燃エンウッド」を3時間の耐火時間に対応させた。従来の1時間耐火、2時間耐火に対応した製品で不可能だった15階以上の建物に適用できる。今後、脱炭素社会の実現に向けて普及が見込まれる木造・木質建築に提案する。
燃エンウッドの柱と梁の開発で「国土交通大臣認定 耐火構造部材(3時間)」を取得した。3時間耐火対応品は、従来品(1時間耐火、2時間耐火)と同様、木材による「荷重支持部」、石こう系材料と木から成る「燃え止まり層」、木材の「燃え代層」の3層から成る耐火構造の集成材とし、柱や梁(はり)などの構造部材に使われる。
同社は耐火性能を確保するため、燃え止まり層に集成材と石こう系材料を組み合わせた断面構成で開発、実用化した。最も外にある燃え代層がゆっくり燃えて熱の侵入を抑制し、次に第2の燃え止まり層の石こう系材料が熱を吸収。荷重支持部が燃焼・炭化温度の260度Cを超えない状況を作り、耐火性能を確保できる。
同社は2013年以降、燃エンウッドを中高層木造ハイブリッド建築20件に適用している。
日刊工業新聞 2022年11月18日