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島田電機製作所が作る新たな働き方制度、目指すは「役割主義型」

島田電機製作所(東京都八王子市)は、エレベーター用のボタンや同表示器を主に手がける。アクリル、ステンレスといった素材をデザイン、加工、仕上げまで一貫して行う専門性が強み。新卒採用を始めて5年目となり、新たな働き方制度を構築し、2023年2月からの運用を目指している。出発点は「若手社員が活躍できる、これからの時代に即した組織を作らなければならない」(島田正孝社長)と考えたからだ。

目指すのは「役割主義型」。年齢や勤続年数、結果・成果などでなく、自身の役割に対する意識と行動を評価し、一人ひとりの主体性を高めることが重要と考える。「技術力」「人間力」「開発力」に焦点をあてた三つの働き方を制定。基本的に社員自身が選んで決める。

さらに、10段階に分けた役割の中から上司と相談して役割のレベルを設定。働き方と役割レベルの二つの視点で、自分の能力・志向を判断し、自覚しながら自己の成長と組織貢献を目指す。島田社長は「通常、役割とは自身の担当している仕事に対してのものだが、当社の役割とは組織・会社への貢献という部分を見ている」と強調する。

従来から業務に必要な研修に費用を負担していたが、新制度では、人間的な成長を促すための研修や習い事の費用を負担する「成長応援制度(SOS)」も作った。社員が選択した三つの働き方に応じて年間で使える金額を設定。例えば英会話や健康維持のためのトレーニングジム費用などにも充てられる。

島田社長は「当社が目指すのは、エンゲージメントの高い組織を作ること。新人事制度で『会社をよくするために自分自身ができることをする』といった主体的な行動がどれだけ生まれるか期待している」。企業と個人の関係を深めつつ、個人の成長・やりがいを重視した制度が始動する。

日刊工業新聞2022年8月23日

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