医療情報システム市場拡大、けん引する要素は?
矢野経済研究所(東京都中野区、水越孝社長)は、2022年度の医療情報システム市場は前年度比1・8%増の2795億500万円を予想するとの調査結果をまとめた。「医療情報システム市場に関する調査」によると、クラウド型電子カルテ市場の伸長が要因で2年連続で前年度を上回る見込み。25年度頃からは既に導入済みの電子カルテシステムの更新でクラウド型電子カルテへの切り替えが本格化すると予想され、中長期的には多くの医療施設でクラウド型が採用されるとする。
医療情報システム市場は電子カルテを中核に形成される。コロナ禍では導入作業の遅延などが生じたが、影響はゆるやかになっており、22年度の市場規模はコロナ禍前の19年度(2781億3100万円)をやや上回る水準に回復する。一方で同市場はリプレイスが中心であり、23年度以降の市場成長率は前年度比1%程度の低い水準で推移する見込み。
調査は6―8月に、国内の医療情報システムベンダーを対象に行った。
日刊工業新聞2022年9月20日