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企業データマーケ支援で成長維持、トゥルーデータに吹く追い風

トゥルーデータは、全国の消費者購買データを扱うプラットフォームを軸に企業のデータマーケティングを支援する。主なターゲットは小売業や消費財メーカー。2022年3月期まで10期連続の増収を維持している。同期の売上高は前期比12・7%増の13億1300万円で過去最高となった。

それを支えるのが、主力であるデータを活用したストック型サービス。ストック型の売上高は10億3400万円となり、全体の売上高比率も78・7%まで上昇した。過去5年間の年平均成長率(CAGR)は20・6%。

中でも消費財メーカー向けビッグデータ分析ツールが好調。販売時点情報管理(POS)に消費者を識別する情報を紐付けた(ID―POS)データを分析し、消費者の購買行動の変化を可視化しデータに基づく顧客理解を実現するツール。3月末時点で消費財メーカー130社に導入している。年間契約で提供しており、各提供先の商品データのカテゴリー数、利用者数に応じて月次のツール利用料は変動する。ツール利用料は1社当たり平均約500万円(年間)。

企業のデジタル変革(DX)推進を追い風に23年3月期を中長期的な成長に向けた取り組みを強化する1年と位置付ける。増収増益にこだわり成長を維持する。売上高が前期比11・9%増の14億7000万円(そのうちストック型は11億5800万円)が、営業利益は同57・5%増の3500万円をそれぞれ目指す。

ストック型で一定の利益を確保しつつ、新たな成長に向けた重点施策に取り組む。現在、デジタルマーケティング支援が中心だが、ビジネスアナリティクスや広告、さらにアジアを中心とした海外展開を視野に入れる。アナリティクスは自社が保有する消費者ビッグデータと分析関連ツールを活用する。広告は広告事業者とデータ連携し提供価値に応じた収益をシェアするプラットフォーム戦略を展開する予定だ。

日刊工業新聞2022年8月4日

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