コスト100円増も転嫁はわずか36円…企業の18%「まったくできない」の悲鳴
帝国データバンクが実施した企業の価格転嫁アンケートによると、100円のコスト増に対して36円しか販売価格に反映できていないことが分かった。価格転嫁率は4割を下回り、全く価格転嫁できていない企業は18・1%を占めた。政府の物価高騰対策の効果を実感していない企業は約7割だった。政府には価格転嫁や物価高への支援強化が求められる。
アンケート期間は9―13日で、有効回答企業数は1649社。インターネット方式で行った。同様の調査は6月に続き2回目。
自社の主な商品やサービスでコストの上昇分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できたか尋ねた。「多少なりとも価格転嫁できている」企業は70・6%だった。
内訳を見ると、コスト上昇分に対して「全て価格転嫁できている」企業は2・3%だった。「8割以上できている」は11・7%、「5割以上8割未満できている」は16・7%だった。
一方、「全く転嫁できていない」は18・1%だった。
これまでの政府の物価高騰対策の効果も尋ねた。「あまり効果を実感していない」は38・9%、「ほとんど効果を実感していない」は34・3%だった。約7割が効果を実感していない実態が明らかになった。
日刊工業新聞2022年9月20日