「オール光通信」市場の先駆者へ、NECが攻める
NECは、ネットワークから端末に至るすべての通信を光ベースの技術で構築する「オールオプティカルネットワーク」の市場創出に向けて、マルチベンダー対応のオープン仕様の新製品4種を投入する。2027年度にオープン光伝送市場でシェア25%を獲得し、同市場のリーディングカンパニーを目指す。
第1弾として光伝送装置「スペクトラムウエーブWXシリーズ」を製品化した。光伝送装置のオープン化は、NECとして初めて。10月から多方路・可変利得アンプ「WX―Dシリーズ」、光合分波器「WX―Sシリーズ」、光変換器「WX―Tシリーズ」、遠隔制御・光スイッチ「WX―Aシリーズ」の出荷を始める。
光伝送装置のオープン化で、ネットワークを構成する機器を機能ごとに分割するディスアグリゲーションを実現する。従来主流だった同一ベンダーの機器を使ってネットワークを構築する手法とは異なり、必要な機器を複数のベンダーから調達して組み合わせるなど、機器構成を自在に変更できる。
NECはNTTとの資本提携を機に、NTTが提唱する次世代光通信基盤の構想「IOWN(アイオン)」の主要メンバーとして活動している。今回の製品投入はその一環。
オープン化により、光伝送に用いられる光信号の分岐・挿入(ROADM)構成と、IOWNで検討が進む各機能ブロックをつなぐ柔軟で経済的なネットワークが可能になる。
日刊工業新聞2022年9月16日