ダイキンが中国で住宅用空調機増産、300億円超で新工場
ダイキン工業は2024年10月をめどに、中国広東省恵州市に住宅用空調機の工場を新設する。投資額は約300億円。空調機の需要が伸びている中国の生産能力を増強するほか、生産拠点を増やしサプライチェーン(供給網)の強化も図る。生産規模などの計画は今後詰める。
22年10月に恵州市博羅県泰美工業地区に製造・販売会社の大金空調(恵州)を設立する。資本金は約315億円。中国事業を統括するダイキン子会社の大金(中国)投資(北京市)が、大金空調(恵州)に100%出資する。室外機1台と複数の室内機で構成する中・高級クラスのマルチエアコンを主に生産する。
電装品も生産し、ロックダウン(都市封鎖)などが生じても主要部品を安定調達できるよう、中国でのサプライチェーン強化にも結びつける。
ダイキンは上海市、蘇州市、武漢市、深圳市に空調機の中国主要4工場がある。上海、武漢、深圳では業務用を生産している。恵州にも上海の分工場があり、蘇州工場とともに主に住宅用を手がけている。恵州の新工場は分工場の近接地に開設する。
ダイキンの中国での空調事業売上高は22年3月期が4247億円で前期比29・6%増加した。23年3月期は4500億円と同6・0%増を見込む。中国では業務用空調機の推定シェアが約50%でトップ。住宅用では壁掛けの量販用タイプでなく、利益率の高い中・高級のマルチエアコンに注力している。
日刊工業新聞2022年9月9日